文化・歴史

塔の下に眠る秘密とは?宇治の栄枯盛衰を見守り続ける島【宇治公園】

うじ子

塔の島ってのどかで素敵な島だよね。

でも実は宇治の歴史が眠っているんだよ。

うじ太
うじ子

塔の島ってただの島じゃないの?

あまーい!!塔の島の下には宇治の歴史が眠っているのだ!

うじ太

・宇治の秘密に迫りたい。

・宇治のイベントに参加したい。

・ウッティーが見たい。

この記事では上記のような悩みを持つ方向けに、宇治公園(通称:塔の島)についてまとめています。

宇治の栄枯盛衰を見守り続ける島、宇治公園こと塔の島

平安時代以前から交通の要所や貴族の別荘地として愛されていた宇治。

もちろんその歴史は深く、当時の古跡もたくさんあります。

そして自然を感じて心をいやすことのできる場所もあります。

自然を楽しみつつも宇治の盛衰を知ることができる場所があります。

それが宇治公園です。

うじ子

宇治公園って聞きなれない公園なんだけど。

普段は「塔の島」って呼び名で親しまれてるよ。

うじ太

塔があるから「塔の島」。実にわかりやすい名前です。

そして、塔の島と一緒に宇治川に浮かぶ島があります。

それが「橘島(たちばなじま)」です。

塔の島と橘島を中島橋が繋いでいます。

この中島橋で結ばれた塔の島・橘島の二つの島をあわせて京都府立宇治公園となっています。

基本的には塔の島で呼ばれることの多い二島ですが、ちゃんと宇治公園だと示すものだってありますよ。

そんな宇治公園には歴史的な古跡や見どころがいくつもあります。

うじ子

塔の島って宇治公園の一部だったんだ。

塔の島と橘島の二島をあわせて宇治公園。

塔に秘められた秘密

十三重石塔(じゅうさんじゅうせきとう)

塔の島にはその名の通り、塔があります。

十三重石塔(じゅうさんじゅうせきとう)という塔で、高さは約15mあります。

1955年には国の重要文化財に指定されています(指定名称は浮島十三重塔)。

江戸時代以前から現存する石塔の中では日本最大の高さを誇ります。

この塔の島のシンボルである十三重石塔には宇治の歴史やある思想が込められているのです。

供養と安全祈願

十三重石塔は奈良県西大寺の僧・叡尊(えいそん)によって建てられた塔です。

叡尊は十三重石塔を建立のほかにも宇治橋の修繕や塔の島・橘島の作成(二つの島は人工島)をおこなっていて、宇治とは関係の深い人物です。

鎌倉時代の弘安9年(1286年)に宇治橋の修繕が完了するのにあわせて塔の島・橘島を作りました。

そして同じ年の12月に、十三重石塔を建立します。

ただこの十三重石塔は記念碑ではなく、ある思想のもとに建てられた塔でした。

それは供養と安全祈願です。

平安時代後期になると仏教の教えが広がり、宇治川での殺生が戒められるようになりました。

叡尊は宇治橋の流失は魚の霊による祟りだと考え、殺生禁断令の発布を朝廷に要請しました。

その後、宇治川での殺生を全面的に禁止する太政官符(公文書)が発令されます。

これにより宇治川での漁はできなくなり、漁に使われていた道具は使われなくなりました。

叡尊は魚霊の供養と宇治橋の安全を祈念し、島に漁具を埋めて、その上に塔を立てたのです。

その塔こそが十三重石塔です。

十三重石塔は単なる記念碑ではなく、魚霊の供養と宇治橋の安全を祈願する塔なのです。

ちなみに、今ある塔は宝暦6年(1756年)の洪水で川に埋もれていた塔を明治時代末に発見・再建されたものです。

宇治の文化の衰退

塔の島や十三重石塔が立てられた時、平安の文化は勢いが弱まっていました。

そして追い打ちをかけるかのように発布された宇治川での漁の全面的禁止。

その結果、宇治の文化の1つであった宇治川の鵜飼が衰退することとなりました。

ただ宇治川の鵜飼は大正15年(1926年)に再興し、現在は宇治の夏の風物詩として親しまれています。

うじ子

十三重石塔にはそんな歴史と願いがあったんだね。

十三重石塔は供養と安全祈願のために作られた塔。

イベントも数多く開催

(※コロナウイルスにより、現在は休止しています。)
宇治公園はイベントの開催地として宇治を賑わせることが数多くあります。

宇治川の鵜飼

まずは先述の宇治川の鵜飼です。

7~9月の間に開催され、人工ふ化で生まれたウミウのウッティーや女性鵜匠の活躍を見ることができます。

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宇治川さくらまつり・炭山陶器まつり

4月の第1と曜日・日曜日に開催される宇治川さくらまつり炭山陶器まつり

塔の島・橘島にソメイヨシノが咲き乱れる中、数々の出店やショーが行われます。

野点茶席や宇治川春の市、伏見の銘酒試飲、花見舟、宇治川の鵜飼ショー、フォークライブ、宇治田楽、宇治上神社ブライダルショー、交通安全ぬいぐるみ劇など、多種多様です。

炭山陶器まつりも同時に開かれ、宇治の名産である炭山の焼き物をたくさん見ることができます。

ちはや姫と会うこともできますよ。

宇治十帖スタンプラリー

毎年秋に開催されます。

例年は塔の島がゴールとなっています。

宇治十帖の古跡(10ヶ所)をめぐる宇治十帖コースと宇治十帖コースの10ヶ所を含むの宇治の名所(23ヶ所)を巡る健脚コースとがあります。

参加賞や抽選で景品がもらえます。

2021年からは新型コロナウイルスの感染対策として期間が2カ月に伸び、スマホでのデジタルスタンプラリーとなるようです。

宇治十帖スタンプラリーの詳細については宇治市HPで紹介されていますので、そちらをご参照ください。

宇治茶まつり

10月ごろに開催されます。

お茶産地巡りや宇治茶体験コーナー(抹茶アート体験、ほうじ茶つくり体験など)、水出し玉露の振る舞いなど、いろんな宇治茶にふれることができます。

うじ子

どのイベントも楽しいよ。

宇治公園は年間を通してイベントが多く楽しめる!

ウッティーが見れて、運が良ければエサやりも

塔の島には鵜飼で活躍するウミウの飼育小屋があります。

ここに行けば年中、鵜を見ることができます。

小屋には19羽のウミウがいて、親が8羽・子(ウッティー)が11羽の計19羽がいます。(2021年8月現在)

運が良ければ鵜匠の方がエサをやるところが見られます。

時には鵜飼の練習をすることも。

鵜匠の皆さんがいかに愛情をこめてウミウと接しているかが伝わってきます。

うじ子

鵜飼の時と違ってのんびり過ごすウッティーの姿もオススメ!

塔の島には鵜の飼育小屋があり、年中ウッティーを見ることができる。

宇治公園への行き方

宇治公園までは
京阪宇治駅から徒歩約10分、
JR宇治駅から徒歩約12分。

京阪かJRかで行き方が異なります。

京阪からだと朝霧橋を、JRからだと橘橋を渡っていくのが早いです。

また、平等院裏口や宇治川左岸の上流側からは喜撰橋があります。

また、大雨や台風の最中・直後は増水のため宇治公園に入ることはできません。

増水しすぎて島が沈むこともあります。

うじ子

あまりの増水ぶりにビックリ!

宇治公園へは3つの橋で行くことができる。

ゲームにも登場

観光ゲーム『宇治市』に宇治公園は登場します。

最後のボス、ナゾの大魔王との戦いの場所が塔の島です。

平等院の前で戦おうとしていましたが、世界遺産ということもあって場所を塔の島に移しています。

十三重石塔は重要文化財ですが、、、というツッコミはなしで!

一言まとめ

うじ子

宇治公園には歴史もイベントもウッティーもたくさん!

それでは良い宇治ライフを!

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