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【萬福寺】木魚の原型は本当に木の魚!日本三禅宗、黄檗宗の大本山

開梛(かいぱん)
うじ子

みんなが知らないようなことってないかな?

萬福寺に行けば木魚が見られるよ。

うじ太
うじ子

木魚なんてどこのお寺でもあるよ。

あまーい!!萬福寺では木魚の原型となった魚が見られるのだ!

うじ太

・日本三禅宗の黄檗宗が知りたい。

・座禅体験がしてみたい。

・本当に魚の形をした木魚が見たい。

この記事では上記のような悩みを持つ方向けに、萬福寺についてまとめています。

中国の明朝様式が見られる境内

萬福寺

萬福寺は1661年に中国僧の隠元隆琦(いんげんりゅうき)禅師によって開創されました。

中国福建省の「黄檗山萬福寺」の住職でしたが、1654年に弟子の中国僧20人と来朝し、

宇治でお寺を開きました。

その際、中国のお寺と同じ「黄檗山萬福寺」と名付けました。

中国の僧が開いたと言うこともあり、その境内は中国の明朝時代の様式が取り入れられています。

宇治にはたくさんのお寺がありますが、とても珍しい特徴です。

そんな萬福寺について見ていきましょう。

石條(せきじょう)

入口の通玄門(つうげんもん)をくぐると、境内が目の前に広がります。

参道に沿って歩いて行くと気が付くのがその地面です。

ひし形の石が一列に並び、その両側を細長い石(石條)が伸びています。

これは竜の背中の鱗をモチーフにしたものです。

中国や黄檗山では龍が位や力量の高さをあらわします、

三門

石條を進むと最初に現れる建物が三門です。

ここが受付となっているので、拝観料を払います。

重層の桜門造りで重要文化財に指定されています。

正面には「黄檗山」と「萬福寺」の額が掛けられていますが、

その字は隠元禅師によって書かれたそうです。

三門という名前の由来ですが、萬福寺HPの紹介では「三間三戸」(さんけんさんこ)と書かれています。詳細は書かれていませんが、関係がありそうです。どこかが三間(約5.4m)の長さあるのでしょうか。

天王殿と弥勒菩薩(布袋)坐像

三門の次に見えるのが天王殿(てんのうでん)です。

こちらの建物も重要文化財に指定されています。

中には弥勒菩薩の坐像が祀られています。

中国の唐時代に実在した契此(けいし)という僧がそのルーツと言われています。

いつも大きな袋を抱えて旅をしていたいたので、「布袋」と呼ばれるようになったそうです。

そして布袋尊は弥勒菩薩の化身とされ、福徳円満の神様とされています。

つまり、祀られている弥勒菩薩像≒布袋尊ということです。

福徳円満の神様、布袋尊

本堂の大雄寶殿(だいおうほうでん)

天王殿を抜けてまっすぐ進むと、大雄寶殿(だいおうほうでん)にたどり着きます。

大雄寶殿は萬福寺の本堂で、萬福寺の最大の伽藍(がらん=寺院の建物)です。

建築様式も素材も、中国の明朝時代の様式が強く表れていて、日本では唯一最大のチーク材が使われているのが特徴です。

チーク材を使った歴史的建造物はとても貴重であるため、 大雄寶殿 も重要文化財として指定されています。

中には釈迦如来坐像(中尊)をはじめとした仏像が祀られています。

釈迦如来坐像(中尊)

また、 大雄寶殿 を説明する書が掛けられています。

この書は明治天皇によって書かれています。

明治天皇による 大雄寶殿 の説明書き
うじ子

中国の様式で他のお寺とは違う雰囲気を感じられるね。

萬福寺は中国の明朝時代の様式で立てられているから独特の雰囲気を感じられる。

木魚の原型となった「開梆(かいぱん)」

萬福寺には木魚の原型が残されています。

普通、木魚と聞くとお坊さんの叩く仏具をイメージすると思います。

ですが、不思議じゃないですか?

"魚"って名前なのに魚の形していませんよね。

この謎の秘密が萬福寺にはあります。

大雄寶殿を抜けて、横の斎堂へと進んでみましょう。

ちなみにこの斎堂は本山僧衆の食堂です。

そこに木魚の原型があります。

これは「開梆(かいぱん)」と言って、木魚の原型になったものです。

もともとは行事や儀式のときに時刻を伝えるために使われていました

口にくわえている球は人間の煩悩を表しています。

魚の背中を叩くことで、煩悩を吐き出させるという意味合いがあります。

うじ子

叩いてたの?

反対側から見たらわかるよ。

うじ太
うじ子

ほんとだ!色が変わってる場所を叩いてたんだね。

また、なぜ魚なのかということですが、魚はまぶたがないので目を閉じることがありません。

そこから、寝る時間を惜しんででも修行に励むという意味合いがあるのだそうです。

ちなみに日本中のお寺に木魚がありますが、そのルーツがこの開梆です。

それまでの日本には木魚を使う風習がありませんでした。

隠元禅師が日本で開梆(かいぱん)を使ったのがその始まりです。

つまり、萬福寺の隠元禅師が日本で木魚を使い始めた人となるわけです。

では、その隠元禅師とはどんな人なのでしょうか。

隠元隆琦(いんげんりゅうき)禅師とインゲン豆

<引用:萬福寺HP>隠元禅師

冒頭でもお伝えした通り、隠元禅師は中国の僧で、当時の日本にも名前が伝わるぐらい高名な僧でした。

日本から何度も誘いを受け、当時の徳川4代目将軍である徳川家綱公から約9万坪の土地を賜ります。

そして1661年に黄檗山万福寺を開創します。

また、隠元禅師はいろいろなものを日本に伝えたことでも知られています。

木魚はその一つですが、他にもインゲン豆があります。

インゲン豆は漢字で隠元豆と書き、隠元禅師の名前が由来となっています。

それ以外にも、西瓜(すいか)・蓮根(れんこん)・孟宗竹(たけのこ)も隠元禅師が日本に伝えたものです。

さらに、「寒天」の名付け親ともいわれています。

うじ子

禅の教えだけでなく、食べ物も日本に広めたんだね。

萬福寺を開創し、禅の教え、食べ物、文化などを日本に伝えたのが隠元禅師。

宇治で禅体験ができる数少ない場所

隠元"禅"師が日本に伝えた黄檗宗は日本三"禅"宗の一つです。

ここからわかるように、萬福寺は禅のお寺です。

ですので、禅の体験ができます。

とはいえ、それなりの「厳しさ」があるようです。

座禅・写経・作務(掃除)・質素な食事。

体験とはいえ、本格的な内容です。

個人での体験受付はしていないので、企業や団体向けの研修となります。

体験内容や料金などの詳細は萬福寺のHPでご確認ください。

普茶料理を味わえる

萬福寺では普茶(ふちゃ)料理を味わうことができます。

普茶料理とは中国の精進料理です。

3日前までに予約が必要です。

インゲン豆、スイカ、レンコン、タケノコが使われ、なんとも萬福寺らしい料理です。

見た目の華やかさと共に、高タンパク・低カロリーのとてもヘルシーなのが特徴です。

行く際には事前に予約して、普茶料理を味わうのもオススメです。

萬福寺への行き方

萬福寺までは
京阪黄檗駅から徒歩約6分、
JR黄檗駅から徒歩約5分。

宇治駅から電車で行くのが手軽です。本数の多い京阪電車がいいでしょう。

バスでも行けますが本数が少ないので、時間を調べておくと無難です。

面倒なら宇治駅からタクシーで行くのが楽ですね。

拝観の案内

拝観時間:9時00分~17時00分
      ※受付は16時30分まで

拝観料: 大人(高校生以上)500円 小人(中学生以下)300円
    (団体料金では細かく値段が分かれます。)

駐車場: 最初の90分500円(乗用車)
     以降30分超過ごとに200円

うじ子

宇治駅からなら電車かタクシーがオススメ。

萬福寺は宇治駅から少し離れるが、穴場として快適に観光できる!

ゲーム『宇治市』にも登場

萬福寺は宇治の観光アクションゲーム『宇治市』のステージとして登場しています。

第一ステージの舞台となっていて、細かいところまで再現されています。

各建物や布袋尊の坐像や開梆はもちろん、地面の石條まで書かれていて、その再現度はかなり高いです。

もちろん隠元禅師も登場します。

隠元禅師はストーリー上、結構重要な役割を果たしています。

登場回数の多い開梆

開梆は他のステージでも登場します。

このゲームで1~2を争う登場回数を誇ります。

ただ、最初のステージの割にはかなり難易度が高いです。

アクションゲームが苦手な人は挫折しそうなくらい難しいです。

慣れるまでチャレンジするか。得意な人にクリアしてもらうのが良さそうです。

一言まとめ

うじ子

萬福寺で中国の明朝時代の雰囲気と普茶料理を味わおう!

それでは良い宇治ライフを!

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